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7周年独占インタビューでは、Altoの古くからのお客様である、蔡舜任芸術修復工事(以下TSJ)の創業者、蔡舜任さんを訪ね、工芸品を修復する日々について伺いました。前回Altoが蔡舜任さんをインタビューしたのは3年前、ダ・ビンチ絵画展における修復の件で広く知られるようになった時でしたが、実はこれ以前にも、彼は廟宇の彩色画の巨匠、潘麗水の門神作品を修復し、スウェーデン国際建築彩色画装飾芸術検討会に参加したことにより、台湾の廟宇芸術と台湾からやって来た芸術修復チームの存在を国際社会に知らしめました。

 

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イタリア、アメリカ、オランダ等で修復の仕事を経験してきた蔡舜任さんは、こう語ってくれました。「修復師は、たくさんの練習と、忍耐力、気力、体力を必要とし、いろいろな面において大変な仕事です。本来の技術の修練はもちろん、それぞれ違う環境でぶつかる困難を克服しなければなりません。」例えば、廟宇の修復を行う際に、作品を湿度や温度の安定した室内に搬入できない場合、台湾の高温多湿の気候の下で修復を行うことは困難を極めます。しかし、だからこそ、蔡舜任さんはTSJのチームにいかなる環境でも一定のレベルと高品質に到達しなければならないと要求するのです。

 

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Photo From:TSJ Art Restoration

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Photo From:TSJ Art Restoration

メンバーに専門的な技術を求める以外に、TSJは修復工事の設備各種も完璧に整えています。修復メンバーの安全に配慮し、また最高の品質の修復を行うために、一般には造船や航空機製造、あるいは国家レベルの重大な工事を行う際に使用される作業用システム足場を大々的に採用し、台湾の廟宇や古跡の修復作業を行っています。規模がこのように極めて大きな作業台を建設し、細かい物の取り付けから荷重負担部分の配置まで行い、国内トップクラスのチームと共に企画・設計し、時間と労力をかけ、インスタレーション並みの作業台を組み立てます。これはすべて、他の設備では安定して到達できない高さで、彫刻彩色がほどこされた複雑な建築物の不規則な空間に届くようにし、修復作業の仕上がりをよりよくするためです。システム足場には莫大な費用がかかりますが、よい結果を出すため、蔡舜任さんもチームメンバーも、十分その価値があると考えています。

 

修復前全景

Photo From:TSJ Art Restoration

修復前の潘麗水門神全図

 

修復後全景

Photo From:TSJ Art Restoration

修復後の潘麗水門神全図

 

当初、蔡舜任さんは、教職の関係でヨーロッパでの仕事を辞め台湾へ戻りましたが、後に自分の会社を設立することに決めました。台湾での修復の仕事は、市場としては小さく、周囲の修復に対する認識もまだまだこれからですが、しかしだからこそ自分の仕事の独特さを感じています。下の世代を育成し、工芸品の修復を認知してもらえるよう尽力し、もっと大きくもっとプロフェッショナルなチームを作る、これが現在蔡舜任さんの最大の目標となっています。以前の4~5人のチームから、この1年で15~20人まで増やしたいと思っています。制度が整えば、人材育成も更に完全にできるようになり、奨励金やボーナスを出すことによって、より完璧な育成計画を行うことができます。メンバーが外国で新しい技術を習得できる機会を与え、チームに戻り貢献してくれるようになること、これらが、蔡舜任さんが実現させようと努力していることなのです。難しいことですが、台湾で修復を行うことは、「やる人が少ない上に、うまくやれる人はもっと少ないけれど、ゆっくりとでもいつか必ず台湾で実現できると思うのです。」

 

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工芸品の修復は決して楽な仕事ではなく、時間の積み重ねが必要となりますが、やりがいもあります。仕事を通じて古跡、廟宇や芸術品等の文化財を近距離で鑑賞できるという大変得難い機会に恵まれ、技術チームが一丸となって修復作業全体を行い、時間の流れを留める、あるいは過去へとさかのぼることができますし、完成後の達成感は些細なことを全部忘れさせてくれるのです。

 

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蔡舜任さんのブラウンのAlto製品セットは、彼と共にイタリア、フランス、スイス、日本など世界中の国々を駆け巡り、時間の経過と共にさらに美しい深みのある色合いになりました。彼は、自分はAltoの忠実なお得意さんだと茶目っ気たっぷりに言い、もし好きな商品があれば、すべて同じブランドでそろえたくなるので、携帯電話ケース、財布、パスポートホルダーもすべてAlto製品を選んでいること、特に好きなのがAlto革製携帯電話ケースのMetroシリーズで、カードが収納できるデザインは本当に便利だと話してくれました。携帯電話ケースを開くと、中にはいろいろな国の紙幣が入っていて、その他に修復の仕事の関係で度々訪れるさまざまな廟宇のお守り札もあり、本当に修復師の味わいが詰まったクラッチバッグでした。

 

7周年独占インタビュー企画を通し、私たちは、3つの違う業種の創業者が同様に初心を忘れず、夢をかなえる途上で数々の試練を乗り越え、一歩一歩実現させているのを感じました。あふれんばかりの情熱で理想を追い求め、自分が努力することによって周囲をより良くしている彼ら。Altoも更なる高みへと邁進する中で、このようなトップランナーの方々に出会って互いに学び合うことができ、共に卓越した境地を目指していることを本当にうれしく思います。また、長い間Altoを支持してくださっている皆様に感謝申し上げます。皆様の支えがあってこそ、私どもはたゆみなく前進を続けることができます。新しい8年目に向けて、一緒にChange for better、より良い方へ変わりましょう!

 

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